連れがおとつい手袋を落とした。
私もこの間落としたばかりだったが、家にもうひとつ手袋があったので、
そんなに困らなかった事もあり、気にも留めなかったくらいの出来事だった。
なので、連れもそんくらいの気持ちだろうと思っていたのだが、
私がプレゼントしたやつだったというのもあり、とても申し訳なさげで、
かつ、その手袋がかなりお気に入りだったみたいで、昨日駅に連絡入れても届いてなかったので、
少し落ち込んでいた。
急遽、変わりに買った手袋も、あんまり気にいってない様子だった。
それならばと、私は、また同じのを内緒でプレゼントしようと、探してみたのだが、
もう同じものはなく、私も少しがっかりしたのだった。
今日は、会社帰りに二人でサテンでお茶をしていてその手袋の話題になり、
ふと、私が手袋なら、連れのとこに今すぐ帰りたいだろうなと思った。
だって、今時こんなに自分を思ってくれる持ち主っていないんちゃう？
なんとなく、そう思ったら、手袋が連れをどこかで待ってる気がしてきて、
もう一回、駅に電話するように連れに言ってみた。
連れは、あんまり気乗りしなかったみたいだが、念のためもう一度電話してみたのだった。
すると、なんと、届いていたのだった。北花田駅まで行ってたらしい。
連れは、とてもうれしそうで、こっちもうれしくなった。
一人になった帰り道、それでいい気分だったけど、私はふと自分の手袋を思い出した。
別段気に入ってたわけじゃなくても（家にあった多分お母さんから貰った手袋だった）
今まで手の寒さをカバーしてくれていたわけだし、もう少し愛情を持ってあげても
良かったのに。少しも探しもしないで、別のやつを平然と使っていたのだ。
なんか、自分の手袋に対して本当に申し訳なかったと思った。
なので、今の手袋は、大切に使おうと思います。
なんばの落し物受付で、連れが来るのを、心待ちにしている手袋を思うと心温まるや。
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