長く生きると人生は、次第にぼやける。
本当の事も嘘の事も同じに思える。
どちらでもいいと思える。
若い頃、どちらでもいいと言うのは怠慢だと非難され続けてきたが、
結局は、どちらにも意味を見つけられないままだ。
それでもいい。別にかまわない。
長く生きると人生は、次第に窮屈になる。
若い頃は精神的にだが、長く生きると肉体にも窮屈になるから、
卑屈になったら、自分でも手に負えない。
もどかしい気持ちが爆発しても、人に与える影響はさほどない。
絶対に、これでなければと追求してきたというのに、出来なくなったら意味がない。
いらだちが人に対してではなく、自分に対して増してゆく。
どうすればいいのか。混乱が混乱を呼ぶ。
長く生きると人生は、過去の後悔が多くなる。
やりたかった事、挫折してしまったことが、大きくのしかかってくる。
出来たのではないかと、後悔が押し寄せる。
もし、あの時。もし、勇気があれば。
長く生きると人生は、ゆとりが出来る。
自分の性格にも、折り合いがつくように、変わっていくものだ。
誰の感傷もなく、自分の好きな事が自由に出来る。
「しなければならない」という、しがらみがなくなる。
若い頃には退屈だと思った暇も、持て余さなくなる。
なんとなく、過ぎる日々も楽しめるようになる。
どんな人生だとしても ただ、時間は流れていく。
そしてまた、今日がやってくる。
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