おばさんは、迷わずそのウサギを家に連れて帰りました。
だけど、家に着くとさっき見せた親近感もどこへやら
ケージの中のウサギは、ちょっと警戒しているのか、全くおばさんと目を合わせようとしません。
ただ黙々と一生懸命毛づくろいをしています。
おばさんは、ちょっと淋しくなりました。
だって、すぐに仲良くなれると思っていたからです。
すると、時折ウサギが窮屈そうに伸びをしています。
もしかして、一緒に買ったケージが、もうこのウサギには小さいのかも知れない。
そう思い、、おばさんは、家の小さな庭に放してみたのでした。
ケージから出されたウサギは最初は庭の隅で、うずくまっていましたが、
しばらくすると二本足で立ち、耳をピンと張って、周りをキョロキョロ見回し出しました。
その様子を興味深深におばさんは見ています。
ウサギは跳ねながら色々なとこに行きましたが、
最後はおばさんの前までやってきました。
おばさんは、嬉しくなり、ちょっとドキドキしながら
できるだけ優しくウサギを撫でました。
でも、おばさんの手は、初めてウサギを触る緊張から、ちょっと震えていました。
そして、撫でられているウサギの身体も少し硬くなり、どこかぎこちないのでした。
それでも、この時おばさんは、とても心が温かくなりました。
なんとなくウサギと心が通じたようなそんな気がしたからでした。
すると不思議な変化がその時から起こりはじめたのです。
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